うべかま通信
〜Vol.2〜

ふんわり軽くて透き通るほど薄いこれも、かまぼこです

ひらひらと舞う花びらのような美しさ。ふんわり柔らかな触感。口に含むと程よい塩味がきいていて、しっかりした魚の旨みが広がります。こだわりのかまぼこを、丹精込めて薄く削り上げた宇部かまの「けずりかまぼこ」。ひとつまみで海鮮の豊かな風味が楽しめる逸品です。

「けずりかまぼこ」の発祥地は愛媛県南予地方の宇和島といわれ、明治時代から特産品として生産されてきました。愛媛では、うどんやご飯、汁物などの万能トッピングとして、多くの家庭で利用されています。

2006年、宇部かまが新商品開発にあたって着目したのが、この「けずりかまぼこ」でした。当時、全国的にはあまり知られていない食材でしたが、常温で保管ができて賞味期限も長く、さまざまな料理に使えるメリットがあり、既存のかまぼこ製品にはない魅力がありました。

伝統のかまぼこ製法をベースに、研究を重ねて新しい技術を確立し、2008年に宇部かま独自の商品が誕生。ここ数年は全国的なメディアでも取り上げられる機会も増え、人気商品として幅広い年齢層のお客様に親しまれています。

宇部かまの「けずりかまぼこ」は、厳選したスケソウダラ100%の上質なすり身を使用しています。高タンパク、低カロリーという蒲鉾の特性はそのまま。ピンクと白の華やかな色彩が食卓を飾り、多彩な美味しさを添えてくれる優れものです。

宇部かまモノ語り

〜けずりかまぼこの開発とあゆみについて〜

試行錯誤から生まれた新しい味とカタチ

当社が「けずりかまぼこ」を発売したのは、10年以上前になります。当時の開発担当者から聞き、引き継いだ内容をお話します。

開発の発端は、「新しい味をお客様に届けたい」という思いでした。かまぼこは冷蔵商品が多く、賞味期限は長くても2週間程度。愛媛県発祥の常温で保管できる「けずりかまぼこ」は、冷蔵庫のない場所でも販売できます。宇部かまの味をたくさんの方に届けられる可能性を感じ、販売に至ったということでした。

とはいえ、製造方法については未知の分野でした。「けずりかまぼこ」には、かまぼこを作り、乾燥させて、削るという三つの工程があります。乾燥と削りに関しては経験がなかったため、何度も試作を繰り返し、商品の完成まで1年半ほど費やしました。

まず、最初にぶつかったのが味づくりです。乾燥で水分が抜けるため、通常のかまぼこではしょっぱくなってしまい、調味料の分量を変える必要がありました。塩分濃度を下げるとすり身の固まり方も違い、加減が難しかったそうです。一番苦労したのは乾燥でした。特殊な乾燥機を使って加熱しながら乾かすのですが、熱くなりすぎるとかまぼこが変色します。最適な温度と時間を導き出せるまで、いろいろと設定を変えて試したそうです。削る工程については、鰹節製造会社に協力してもらいました。かまぼこに合わせて削り方を調整し、適度な薄さに仕上げています。

山口県から全国へさらに愛される商品に

商品は2008年に完成し、しばらくは山口県内のみで販売していました。「けずりかまぼこ」を初めて見る方がほとんどなので、パッケージにレシピを載せるなど工夫をしましたが、なかなかすぐには売れませんでした。

転機となったのは、2016年に東京で開催された食品展示会「スーパーマーケット・トレードショー」です。「バイヤーが取り扱ってみたい商品ナンバー1」に当社の「けずりかまぼこ」が選ばれ、全国放送のテレビ番組で取材を受けました。これを機に商品の知名度が上がり、料理好きの芸能人の方が「けずりかまぼこ」のレシピをブログで紹介するなど、徐々に注目されるようになりました。

当社の「けずりかまぼこ」は、上質な材料のみを使った豊かな味わい、でんぷん不使用の滑らかな触感が特徴です。アイデア次第でいろいろな料理に使え、そのまま食べても美味しいので、ぜひご家庭で楽しんでいただけたらうれしいです。今後は商品ラインナップも増やし、さらに親しまれる商品に育てていきたいと思っています。

けずりかまぼこができるまで

1.かまぼこを作る上質のスケソウダラ100%すり身に、天然清水、塩、調味料を入れて練り上げます。 かまぼこが固まってきたら成形し、蒸して加熱します。

2.乾燥させるかまぼこを数日間かけてじっくり乾燥させます。
加熱する温度や時間の設定に、宇部かま独自のノウハウがつまっています。

3.削る鰹節を削る機械で、かまぼこを適度な薄さに仕上げていきます。
柔らかいかまぼこをきれいに削るために、しっかり研いだ鋭い刃を使っています。

4.完成けずりかまぼこを袋詰めして完成。
お料理のアクセントに、けずりかまぼこの旨味を添えてお楽しみください。

けずりかまぼこ商品

けずりかまぼこアレンジレシピ

華やかに器を彩るひとつまみ。様々なお料理にお使いいただけます。

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